あなたが働くとすればどんな介護施設ですか?
実は、介護施設・事業所には様々なサービスや形態のものがあり、全国で147,347の事業所数があります。
(厚生労働省 平成29年10月1日現在「介護サービス施設・事業所調査」)
今お仕事をされている方、これから介護の仕事を始めようとされる方。
『自分にあった職場はどんなところだろう??』とお考えになる方もいらっしゃるはずです。
そんな思いを持った方に、少しでも参考にしていただければ幸いです。
もちろん、施設や介護サービスの種類も大切ですが、仕事をするうえで職場環境や法人理念等も大きな要素になります。
①介護施設で働く【特別養護老人ホーム】
今回は、【特別養護老人ホーム】通称:特養(とくよう)についてお話ししたいと思います。
特別養護老人ホームは介護老人福祉施設とも呼ばれ【従来型(≒多床室型とも言う)】と【ユニット型】の大きく2つに分かれます。
平成14年度より「ユニットケア」が制度化され、入居者一人ひとりの個性と生活リズムに合わせた個別のケアをすることで、それぞれの自立を尊重しようという考えのもとで生まれた介護ケアの新コンセプトです。
少人数グループ(10人以下)をひとつの生活単位(ユニット)として区分けして、1ユニットごとに専用の居住空間と専任の職員を配置するケアがユニットケアです。
それよりも以前のものが【従来型】となります。
平成27年4月より、特別養護老人ホームに新規入居される方は、原則として要介護3以上の方となっています。
特別養護老人ホームは医療機関ではありませんから看護師の24時間配置は義務付けされていません。
ただ、看護師は日勤帯に勤務していて、入居者の健康・服薬管理、緊急時処置、医師や介護職等との連携する役割を担っています。
また、夜間はオンコール対応となりますので、急変時等は看護師へ電話連絡をして指示をしてもらい処置等を行います。
【介護職としての仕事内容】
特養の仕事内容は3大介護と呼ばれる≪食事介助・入浴介助・排泄介助≫が主となります。
前述にもありますが、特養の入居者は要介護3以上の方ばかりですから、お一人での日常生活が困難な方がほとんどです。
まずお風呂のお世話、つまり入浴介助ですが、寝たきりの人や車椅子の人は、寝たままや車椅子のまま入れる機械浴(特浴)で入浴する人もいます。
入浴介助は身体的な清潔を維持して健康を保つための重要な役割を持っています。また、入浴によってリラックスして、食欲増進、安眠などの効果も見られます。
入浴後の着替えの手伝いや皮膚状態のチェック、髪を乾かすことなども入浴介助に含まれます。
次に食事介助ですが、噛む力や飲み込む力が弱くなっている人には、細かく刻まれた食事やペースト状にした食事が提供されます。
食事を美味しく楽しんでもらうためには介護者の援助方法がとても大切で、声の掛け方なども大事なポイントとなります。
特養には調理専門の職員(調理場)がいるため、食事を作ることはありません。ただ、ご飯やお味噌汁の美味しい匂いを楽しんでもらうためにフロアで準備することがほとんどです。
そして、トイレの誘導やオムツ交換などの排泄介助ですが、入居者の自尊心を傷つけないように気持ちに寄り添いながら、手際良く丁寧な介助が求められます。
特養のみに限った事ではありませんが、健康管理を行うことも大切な業務です。血圧や体温の計測、食事摂取量の把握や皮膚状態の確認も健康管理に含まれます。
また、寝たきりになっている入居者の方が多くいるため、四季やイベントを感じてもらうためのレクリエーション活動も大切な介護の仕事です。
【まとめ】
特養には、寝たきりの人や認知症の人、麻痺のある人などさまざまな入居者がいます。そのため、介護の知識や経験を積みスキルアップするために様々なことが学べる場と言えます。
移乗・移動介助の頻度が多いため、誤った認識で移乗をすると、介護をする側・される側のリスクが高まります。その為、上司・先輩・同僚の指導をしっかりと受けてください。
特養は【社会福祉法人】が運営・経営しています。そのため、昇給・賞与・諸手当・退職金など給与面での安定は魅力的です。